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DDK合同会社 Digital Design Knowledge

分電盤回路計算ツール

ツール一覧
① 電源種別(主幹電源)
一般住宅・小規模事務所は 単相3線 100/200V が標準。動力機器(業務用エアコン・コンプレッサー等)がある場合は 三相3線 200V を別系統で引き込みます。
② 負荷回路(複数登録可)
③ 需要率・予備回路率
20%
需要率は、登録した全回路が同時にピーク電流を流すことは少ない、という考え方で主幹ブレーカーに掛ける係数です。予備回路率は将来増設用の空き回路の割合です(現場慣行では概ね20〜25%程度を確保することが多い)。
用語の意味
主幹ブレーカー(主開閉器)
分電盤の入口に設置され、回路全体を一括で保護・遮断するブレーカー。定格は通常合計負荷電流 × 需要率 × 1.25(連続負荷係数)以上の最小標準定格を選定。
分岐ブレーカー
分電盤の中で、照明・コンセント等の個別回路を保護するブレーカー。15A・20A・30A・40A・50A・60A・75A・100A が JIS標準定格。
需要率(同時使用率)
登録した全回路が同時にピーク電流を流すことは少ない、という実態を反映した係数。用途によって住宅 50〜60%、事務所 70%、工場 70〜80%が一般的な目安。
連続負荷 × 1.25
3時間以上継続して使用する負荷では、ブレーカー定格を負荷電流 × 1.25 以上とするよう電技解釈で定められている。本ツールの主幹選定に織り込み済み。
単相2線式 (1φ2W)
100V のみ供給する配線方式。古い住宅・小規模店舗・仮設電源で使われる。エアコン・IH等の200V機器は使えない。
単相3線式 (1φ3W)
中性線を介して100V・200V の両方を取れる方式。現代の住宅・事務所の標準。L1-N/L2-N で100V、L1-L2 で 200V(エアコン・IH等)。
三相3線式 (3φ3W)
業務用エアコン室外機・コンプレッサー・大型ポンプ等の動力機器向け。力率0.8が一般的で、電流計算に √3 が入る(I=P÷(√3×V×cosφ))。
予備回路
将来の増設・模様替えに備えて、分電盤内に確保しておく空きブレーカー枠。現場慣行では概ね20〜25%程度を確保することが多い。
電技解釈(電気設備技術基準の解釈)
電気設備の具体的な設計・施工基準を定めた法令ベースの解釈集。配線・ブレーカー・接地等の根拠となる。
内線規程 (JEAC 8001)
民間(一般社団法人 日本電気協会)の規程。分電盤・分岐回路・電線選定など、現場実務の基礎となる。
分岐ブレーカー選定の目安
用途 一般的な電流 推奨ブレーカー
一般照明5〜10A15A または 20A
一般コンセント10〜15A20A
家庭用エアコン機種による20A(専用回路)
電子レンジ約15A20A(専用回路推奨)
IHクッキングヒーター約30A30A(200V専用)
エコキュート約15〜20A20A(200V専用)
食器洗い乾燥機約15A20A(専用)
動力機器設備容量による負荷電流×3.0(直入れ)から選定
専用回路の考え方:大電流を連続で使う機器は、他の回路と共用せず単独のブレーカーに繋ぐ。トリップ時の影響を局所化でき、電圧降下も抑えられます。
需要率・設備容量の目安
建物種別需要率の目安備考
一般住宅50〜60%照明・コンセント主体、同時使用少
集合住宅(各戸)50〜70%IH・エコキュート有なら高め
事務所ビル60〜70%OA機器・照明が連続使用
店舗70〜80%照明・冷蔵設備の稼働率高
工場70〜90%生産ラインは稼働率高、動力込み
学校50〜60%休日・夜間が長い
数値は一般的な目安です。実設計では設備容量の種別(照明・動力・空調・厨房)ごとに需要率を分けて計算するのが原則(内線規程 1305節)。本ツールは全回路に一律の需要率を掛ける簡易計算です。
現場でのポイント
主幹は分岐の合計より小さくしない:分岐ブレーカーの定格合計より主幹を小さくすると、分岐全てを同時に使えば主幹が先にトリップします。需要率で絞るのは許容されますが、ピーク時に主幹先行トリップで頻繁に落ちるなら主幹を上げる検討を。
200V 機器は単相3線の L1-L2 間:エアコン・IH・エコキュートは単相200V。単相3線式で L1-L2 に繋ぎ、バランスを取るようL1-N/L2-N の100V 負荷を均等配分すると中性線電流が減り、N相の発熱を抑えられます。
漏電遮断器(ELCB)の設置:水回り(洗面・台所・浴室)、屋外コンセント、湿気の多い場所は原則漏電ブレーカーを配線する。主幹を漏電付きにする(住宅盤の標準)か、該当回路のみ分岐で漏電ブレーカー化する。
動力盤は別系統で:三相200V の動力機器がある場合、主幹ブレーカーも三相用を別途引き込み、単相の電灯盤とは分離するのが一般的。高調波対策・ノイズ対策の面でも有利。
ブレーカー容量は「一つ上」を選ぶ:必要電流ちょうどのブレーカーはトリップ余裕がなく、現場では一つ上の標準定格を選ぶ判断をすることもあります。ただし上げすぎ=電線保護不足になるので、電線の許容電流も必ず確認を。
予備回路は 20〜25% 確保:後日の増設(コンセント追加・家電追加)で盤の入替を避けるため、使用中の回路数 × 1.2〜1.25 の枠を確保するのが一般的。住宅盤では「12回路(うち予備2)」「20回路(うち予備4)」等で選定します。
関連規程・参考資料
参照版号(ツール作成時点)内線規程 JEAC 8001-2022年版電気設備技術基準・解釈(経済産業省・現行版)/関連 JIS(各規格の現行版)。規程は数年ごとに改訂されます。最新版との差異は現場の設計図書・電気主任技術者の判断を優先してください。
電気設備技術基準の解釈 第148条:低圧幹線・分岐回路の過電流遮断器の定格に関する規定。連続負荷に対する 1.25倍基準の根拠。
内線規程 1305節(幹線の需要率):建物種別・負荷種別ごとの標準需要率が表で示されている。本ツールの選択肢は概ねこれに準拠。
内線規程 1340節(分岐回路の施設):分岐ブレーカー定格と電線太さの組合せ、専用回路とすべき機器(IH・エアコン等)について規定。
JIS C 8201-2-1(低圧開閉装置および制御装置):配線用遮断器(MCCB)の標準定格電流の系列(15・20・30・40・50・60・75・100A…)を規定。
※ 本ツールは概算の補助です。実際の設計・選定は設計図書・内線規程・メーカー選定表・電気主任技術者の判断に従ってください。
※ ご利用上の注意
本ツールは 電技解釈・内線規程(JEAC 8001) を参考にした概算の補助です。以下の簡易計算で結果を出しています。
・各回路電流:単相 I=W÷V、三相 I=W÷(√3×V×0.8) / A直接入力はそのまま
・主幹ブレーカー:合計負荷電流 × 需要率 × 1.25 → JIS 標準定格へ切上
・必要回路数:登録した有効回路数 ×(1+予備回路率)を切上
・分岐ブレーカー:電流とあらかじめ定めた用途別基準から自動選定(動力は始動方式で係数を選択)
・電圧降下/高調波/突入電流/温度補正/漏電保護 は未考慮

単相3線式の相バランス・中性線電流動力回路の始動電流・始動方式電線太さとの組合せは本ツールで計算していません。詳細は「DDK 電線・ブレーカー・接地線 選定ツール」やメーカー選定表を併用してください。本ツールの結果による事故・損害について当方は責任を負いません。