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DDK合同会社 Digital Design Knowledge

絶縁抵抗判定ツール

ツール一覧
① 電圧区分を選ぶ
※ 電技省令 第58条/低圧電路の絶縁性能
② 測定値を入力
入力すると自動で判定します。
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③ 絶縁抵抗 基準値(早見表)
電路の使用電圧 対地電圧 絶縁抵抗値
300V以下 150V以下 0.1 MΩ 以上
300V以下 150V超 0.2 MΩ 以上
300V超 0.4 MΩ 以上
▶ 対地電圧 早見
・単相2線 100V/単相3線 100-200V … 対地電圧 100V(150V以下)
・三相3線 200V(非接地式)… 対地電圧 200V(150V超・300V以下)
・三相4線 400V 級(中性点接地)… 対地電圧 230V(400÷√3・300V以下)
・高圧を含む 300V超の電路0.4MΩ以上が必要
④ 測定前チェックリスト(事故防止)
0 / 6 項目 確認済み
⑤ CT二次側の短絡方法(SVG図解)
※ 超重要:CT(変流器)は二次側を開放したまま一次側に電流を流すと高電圧が発生し、二次巻線の焼損・火災・感電事故につながります。絶縁抵抗測定でも一次側からの誘導電流のアース経路を作ってしまうため 0MΩ 表示 になります。
CT二次側の短絡処理(絶縁抵抗測定前) 一次側(主回路) ~ 電源 負荷 (モーター等) CT 二次 巻線 k l SHORT ① ここを必ず短絡! 短絡端子 or リード線でK-L間を閉 接地(D種) ② 短絡してから 計器を外す/配線に触る
図:CT二次側(k-l 端子)を短絡してから測定・配線作業を行う。赤バー部分=短絡箇所。
▶ 正しい手順
① 一次側を停電 or CT二次側の短絡端子を確実に閉じる
② 電流計・継電器などの二次側機器を取り外す
③ 絶縁抵抗測定を実施
④ 測定完了 → 配線を復旧 → 最後に短絡を解除(この順番が重要)
※ やりがちな失敗:「短絡を解除してから負荷を戻す」と、一次通電中にCT二次が一瞬でも開放になり 高電圧で焼損。必ず 負荷戻し → 最後に短絡解除 の順で。
⑥ CT絡みで絶縁抵抗が「0MΩ」になる理由
短絡せずに測定すると… アース経路ができて 0MΩ 絶縁抵抗計 500V DC L E 測定対象ライン CT 短絡せず放置 接地 電流は CT二次 → アース へ抜ける → 抵抗ほぼゼロ →「0MΩ」と表示される
CT二次の片端は接地側に繋がっていることが多く、短絡していないと測定電流がアース経路を形成する。
現場あるある:「絶縁めっちゃ悪い…ケーブル取り替えかな」と思ったら、CT二次の短絡忘れだっただけ。若手・未経験者が特にハマりやすいポイントなので、測定前チェックリストで必ず確認する習慣を。
用語の意味
絶縁抵抗
電線・機器の充電部(電気が流れる部分)と大地・金属外箱との間の電気抵抗。値が大きいほど絶縁が健全で、漏電・感電・火災のリスクが小さいことを意味する。
絶縁抵抗計(メガー)
直流高電圧(一般的には500V)をかけて絶縁抵抗を測定する計器。低圧電路の竣工・定期点検で使用。アナログ式とデジタル式がある。
対地電圧
電路の充電部と大地の間の電圧。接地方式によって値が変わるため注意。
  • 単相2線 100V/単相3線 100-200V(B種接地側)→ 対地電圧 100V(150V以下)
  • 三相3線 200V(非接地式・Δ結線)→ 対地電圧 200V(150V超・300V以下)
  • 三相4線 400V/230V(中性点接地・Y結線)→ 対地電圧 約230V(400÷√3・300V以下)
  • 三相3線 400V(非接地式)→ 対地電圧 400V(300V超)
基準値は線間電圧ではなく対地電圧で決まるので、系統の接地方式を確認してから判定する。
CT(変流器)
大電流を計測・保護継電器用に小電流に変換する機器。二次側を開放したまま一次側に通電すると高電圧が発生して焼損するため、絶縁抵抗測定や機器取外し時は必ず二次側を短絡する。
短絡端子(k-l)
CT二次側の端子。k(ケイ)とl(エル)の2端子間を導線・専用バーで結線して閉路にすることを「短絡する」と呼ぶ。
漏電遮断器(ELB / ELCB)
地絡電流を検出して回路を遮断する装置。絶縁抵抗測定時には誤動作防止のため回路を切り離す必要がある。
サージアブソーバ・SPD
雷などのサージ電圧から機器を守る部品。内部でアース側と接続されているため、500Vメガーで測ると導通扱いになる。測定前に外す。
関連規程・参考資料
参照版号(ツール作成時点)内線規程 JEAC 8001-2022年版電気設備技術基準・解釈(経済産業省・現行版)/関連 JIS(各規格の現行版)。規程は数年ごとに改訂されます。最新版との差異は現場の設計図書・電気主任技術者の判断を優先してください。
電気設備技術基準(省令)第58条:低圧電路の絶縁性能の基準。使用電圧・対地電圧の区分に応じた最低絶縁抵抗値(0.1/0.2/0.4 MΩ)を規定。本ツールの判定基準はここに基づく。
電気設備技術基準(省令)第22条:低圧電線路の絶縁性能(漏えい電流1/2,000)。第58条と併せて低圧電路の絶縁性能の法的根拠(経済産業省令)。
内線規程(JEAC 8001):絶縁抵抗測定の実施要領・測定機器・記録方法。
JIS C 1302(絶縁抵抗計):絶縁抵抗計の性能・試験方法を規定。
※ 本ツールは低圧電路を対象とした一般的な早見・判定ツールです。高圧・特別高圧電路、医療用電気設備、防爆区域、屋外電路などは個別基準があります。現場の最終判断は電気主任技術者・設計図書に従ってください。
※ ご利用上の注意
本ツールの判定基準は「電気設備技術基準(省令)第58条」に基づく低圧電路の絶縁性能の一般値です。
・特殊な設備(医療・防爆・高圧電路など)は個別の基準が適用される場合があります。
・実測にあたっては 絶縁抵抗計の取扱説明書 および現場ルール・停電計画を必ず遵守してください。
・本ツールの結果による事故・損害について当方は責任を負いません。