計算モード
電線サイズ・こう長・電流を入力して、電圧降下・降下率・許容電流を一度に判定します。
STEP 1回路条件
STEP 2ケーブル仕様
※ 電圧降下の係数は「回路方式」で、許容電流は「ケーブル種別」で決まります。実際に布設するケーブルで選択してください。
許容値判定条件
※ 内線規程1310-1表。分岐回路は一律 2%、幹線はこう長区分で 3〜7%。
計算結果
計算過程(途中式)
—
※ 内線規程の簡易式に基づく概算。力率は近似的に乗算で反映(リアクタンス分は考慮しない)。長距離・大容量ではリアクタンスを含む詳細計算を推奨。
ケーブル種別と回路方式は独立して選ぶ(重要)
「電灯回路だからCVD」のような決めつけはしない
電圧降下の係数は 回路方式(単相2線/単相3線/三相3線/三相4線) で決まり、
許容電流は 実際に布設するケーブルの種別 で決まります。両者は独立です。
例:単相3線式の幹線をCVTで引く場合
→ 回路方式:単相3線式 100V(係数 17.8)または 200V(係数 35.6)
→ ケーブル種別:CVT(許容電流表はCVTを参照)
現場で実際に使うケーブルの種類を正しく選んでください。
例:単相3線式の幹線をCVTで引く場合
→ 回路方式:単相3線式 100V(係数 17.8)または 200V(係数 35.6)
→ ケーブル種別:CVT(許容電流表はCVTを参照)
現場で実際に使うケーブルの種類を正しく選んでください。
計算式(内線規程 簡易式)
単相2線式(100V・200V)
e = 35.6 × L × I ÷ (1000 × A)
単相3線式 100V(中性線基準)
e = 17.8 × L × I ÷ (1000 × A)
単相3線式 200V(線間基準)
e = 35.6 × L × I ÷ (1000 × A)
三相3線式(200V・400V)
e = 30.8 × L × I ÷ (1000 × A)
三相4線式 線間(400V)
e = 30.8 × L × I ÷ (1000 × A)
三相4線式 相電圧(230V)
e = 17.8 × L × I ÷ (1000 × A)
電圧降下率
降下率 (%) = e ÷ 供給電圧 × 100
e:電圧降下(V)/L:こう長(m、片道)/I:負荷電流(A)/A:電線断面積(mm²)
係数の由来:標準軟銅の固有抵抗(20℃で 1/58 Ω·mm²/m)と銅電線の導電率 97% から導かれる値です。
単相の 35.6 は 2本の往復抵抗ぶん、三相の 30.8 は √3 換算ぶん、単相3線・三相4線 相電圧の 17.8 は 35.6 の半分(中性線/相電圧ベース)。
内線規程(JEAC 8001)の電圧降下 簡易式として継続的に採用されている係数です。
注意:この係数は 銅導体・20℃基準 です。高温環境(盤内40〜50℃など)や、大断面積ケーブル(100sq以上)でリアクタンス分が無視できない場合は、メーカーの詳細計算式(R・X 両方考慮)を使ってください。
許容電圧降下率(内線規程1310-1表)
| 引込線からのこう長 | 幹線 | 分岐回路 |
|---|---|---|
| 60m以下 | 3% | 2% |
| 60m超〜120m以下 | 5% | |
| 120m超〜200m以下 | 6% | |
| 200m超 | 7% |
ケーブル種別別 許容電流(参考値)
| サイズ | CVT | CV 3心 | CV 4心 | IV |
|---|
※ 周囲温度30℃・がいし引きまたは空中布設相当の基準値。管内収容・束ね・高温環境では 電流減少係数・温度補正 を別途掛けて判断すること。詳細はメーカーカタログ・DDK許容電流早見表を参照。
電線サイズ別 導体抵抗一覧
| サイズ(sq) | 導体抵抗 Ω/km(20℃) |
|---|
※ 軟銅線20℃の標準値。温度が10℃上がるごとに約4%増加。アルミ導体は概ね銅の1.6倍の抵抗。
ケーブル種別 早見
| 種別 | 構造 | 主用途 |
|---|---|---|
| CVT | 単心CV×3本撚り | 三相3線・三相4線・大容量単相3線 |
| CVD | 単心CV×2本撚り | 単相2線・単相3線(電灯幹線) |
| CV平形 | 多心一括シース | 単相・三相両用、小〜中容量 |
| IV | 単心絶縁電線 | 電線管内・屋内配線(参考用) |
| EM-CET | エコ材トリプレックス | CVT置換、環境配慮仕様 |
| EM-CEE | エコ材平形 | CV平形置換、環境配慮仕様 |
電圧・許容率別 許容降下値 早見表
| 電圧 | 2% | 3% | 5% | 6% | 7% |
|---|---|---|---|---|---|
| 100V | 2.0V | 3.0V | 5.0V | 6.0V | 7.0V |
| 200V | 4.0V | 6.0V | 10.0V | 12.0V | 14.0V |
| 230V | 4.6V | 6.9V | 11.5V | 13.8V | 16.1V |
| 400V | 8.0V | 12.0V | 20.0V | 24.0V | 28.0V |
用語・補足の解説
- 電圧降下(e)
- 電線の抵抗やリアクタンスによって、電源から負荷に進むにつれて電圧が下がる現象。負荷端で下がりすぎると機器の性能低下・発熱・誤動作につながる。
- 電圧降下率
- 電圧降下値を供給電圧で割った百分率。規程ではこの率で判定する。
- こう長(L)
- 電源から負荷までの片道配線距離(m)。簡易式の係数は往復分を織り込み済。
- 幹線/分岐回路
- 幹線は引込開閉器〜分電盤の主配線、分岐回路は分電盤〜各器具の配線。許容降下率が異なる。
- 力率(cosφ)
- 電圧と電流の位相のずれを示す値(0〜1)。抵抗負荷は1.0、モーターや放電灯は0.7〜0.9程度。
- 許容電流(アンペアシティ)
- 電線が安全に連続して流せる電流の上限。周囲温度・電線本数・布設方式で変わる。
- 電流減少係数
- 管内に複数本を収容したときに掛ける係数。3本以下 0.70、4本 0.63、5〜6本 0.56 など(内線規程1340節)。
- 第3高調波
- 50/60Hz の3倍周波数(150/180Hz)の成分。インバータ・LED・OA機器等の非線形負荷が発生源。三相4線式では各相の第3高調波が中性線で加算され、中性線に大電流が流れる原因になる。
- 単相2線式/単相3線式/三相3線式/三相4線式
- 単相2線(1φ2W)は100V/200V一般家庭用。単相3線(1φ3W)は両外線200V・中性線〜外線100V。三相3線(3φ3W)は200V/400V動力用。三相4線(3φ4W)はビル・大規模施設で400V動力+230V単相混在。
- CVT/CVD/CV平形
- いずれも架橋ポリエチレン絶縁・ビニルシースの低圧ケーブル。CVTは単心3本撚り、CVDは単心2本撚り、CV平形は多心一括シースの平型。CVT/CVDは放熱が良く許容電流が大きい。
- EM-CET/EM-CEE
- Environmental Material(鉛フリー・ハロゲンフリー等)対応のエコケーブル。CET=CVTの環境対応版、CEE=CV平形の環境対応版。許容電流はおおむね同等。
- 内線規程(JEAC 8001)
- 日本電気協会発行。電技解釈の補完。電圧降下許容値は1310-1表、許容電流は1340節。
設計・実務上の注意
- 本ツールは内線規程の簡易式による概算。厳密にはリアクタンス・温度・施工条件を考慮する。
- こう長は必ず片道距離で入力する。
- 電動機回路は始動電流(定格の5〜7倍)による瞬時降下も別途検討する。始動時10〜15%以内が目安。
- 長距離(200m超)・大容量回路ではリアクタンスの影響が無視できない。厳密計算を行うこと。
- 実運用では将来増・温度・施工誤差を見込んで1サイズ上げることも検討する。
- 許容電流チェックは基準値(30℃・がいし引き相当)。管内収容・高温環境では減少係数・温度補正を掛けて再判定する。
- 単相3線式で不平衡負荷が大きい場合、中性線にも電流が流れる。平衡設計が原則。
- ※ 現場の最終判断は電気主任技術者の指示に従ってください。