DDK
DDK合同会社 Digital Design Knowledge

電線ブレーカー選定ツール

ツール一覧
① 電圧種別
② 負荷の大きさ
③ 力率(kW入力時のみ使用)
④ 配線方式
⑥ 電圧降下チェック
用語の意味
負荷電流
機器が実際に消費する電流(A)。単相は I=P÷(V×cosφ)、三相は I=P÷(√3×V×cosφ) で求める。
力率(cosφ)
電圧と電流の位相差から生じる、皮相電力に対する有効電力の割合。白熱灯・ヒータは1.0モーター負荷は0.8前後が目安。
許容電流(アンペアシティ)
電線が安全に流せる連続電流の上限。周囲温度・本数・配線方式で変わる。本ツールは周囲温度30℃・同一管内3本以下が前提。
電圧降下
配線の抵抗により生じる電圧の低下。長くて細いほど大きい。単相:e=35.6LI÷(1000S)三相:e=30.8LI÷(1000S)(L=配線長m/I=電流A/S=電線断面積mm²、銅導体・20℃)。
配線用遮断器(MCCB)
過電流(過負荷+短絡)で回路を遮断する保護装置。一般に「ブレーカー」と呼ぶ。定格電流は15・20・30…Aの段階値。
漏電遮断器(ELCB・ELB)
地絡(漏電)を検出して遮断する装置。人体保護用は定格感度電流30mA・動作時間0.1秒以内。水回り・屋外回路は原則必要。
電動機の始動電流
モーター起動時に流れる大電流。直入れ始動で定格の6〜8倍スターデルタ始動で1/3程度。ブレーカーはこの突入でトリップしないよう余裕を見る。
連続負荷
3時間以上連続して使用する負荷。ブレーカー定格は負荷電流 × 1.25以上(電技解釈)。
CV ケーブル/IV 線
CV:架橋ポリエチレン絶縁ビニルシース。屋内外・埋設で広く使用。IV:600Vビニル絶縁単線・より線。電線管内で使用。
電流減少係数
同一電線管に多数の電線を入れると放熱が悪くなり許容電流が下がる。3本以下 0.70 / 4本 0.63 / 5〜6本 0.56(内線規程)。
金属管と合成樹脂管(PF/CD管)の違い
3本以下収容時の電流減少係数はどちらも 0.70で、内線規程の許容電流表でも同値として扱われる。本ツールでも両者の許容電流は同じ値。4本以上を収容する場合や、合成樹脂管を直接日射下で長距離敷設する場合は別途補正が必要。
D種接地線の計算式(本ツールの連続算式)
内線規程 1350-3表は定格ごとの段階値(15A〜1000A)が正式な選定基準です。本ツールは表にない容量へも対応できるよう S(mm²) ≈ ブレーカー定格(A) × 0.052 を併用(内線規程「資料1-3-6」の算定式に基づく包絡係数)。計算値と表値で差が出る場合は必ず段階値表(1350-3)を優先してください(63A付近など、計算値が表値より細くなるケースがあります)。
現場でのポイント
電線太さの大原則許容電流 ≥ ブレーカー定格 ≥ 負荷電流 × 1.25。この順序を崩さないこと。
電動機回路:本ツールの係数(直入れ×3.0/Y-Δ×2.5)は突入電流対応の概算。正式には内線規程 JEAC 8001 資料3-7-5またはメーカー(日東工業等)の選定表を参照。11kW以上・コンプレッサー・ポンプは要注意。
電圧降下の目安:内線規程では幹線2%・分岐2%(合計3〜5%以内)を推奨。60m以下なら2%以内、120m以下は4%以内が一般的な設計値。
周囲温度補正:本ツールは30℃前提。40℃環境なら許容電流に×0.88、50℃なら×0.74を掛けて補正が必要(内線規程・JCS 0168等)。
電線管内本数補正:4本以上収容時は計算結果から再計算が必要。本ツールの結果画面に早見表を表示しています。
高調波負荷(インバータ等):中性線に高調波電流が流れ、N相が発熱することがある。N相を相と同サイズにするなどの対応を検討。
関連規程・参考資料
参照版号(ツール作成時点)内線規程 JEAC 8001-2022年版電気設備技術基準・解釈(経済産業省・現行版)/関連 JIS(各規格の現行版)。規程は数年ごとに改訂されます。最新版との差異は現場の設計図書・電気主任技術者の判断を優先してください。
電気設備技術基準の解釈 第146条・148条:低圧電路の電線・過電流遮断器の選定に関する法的基準。
内線規程(JEAC 8001):民間規程。電線許容電流表(1340節)・電動機配線(3605節)・接地線選定(1350節)・電圧降下(1310節)などを収録。本ツールの基礎データはこれに準拠。
JIS C 3307(IV線)・JIS C 3342(VVF・VVRケーブル)・JIS C 3605(CV・CVTケーブル):電線・ケーブル本体の規格。許容電流・電圧降下係数の算定根拠。
JCS 0168(電力ケーブルの許容電流):日本電線工業会規格。ケーブルの布設条件別許容電流の詳細。
※ 本ツールは概算の補助です。最終選定は設計図書・電気主任技術者・メーカーの選定表に従ってください。
※ ご利用上の注意
本ツールは 内線規程(JEAC 8001) を参考にした概算値です。以下の前提で計算しています。
・周囲温度 30℃ / 電線管内 3本以下 収容
・ブレーカー選定: 一般負荷 × 1.25(連続負荷)/ 電動機 直入れ × 3.0 / 電動機 Y-Δ × 2.5(簡易近似、瞬時突入対応)
・電線選定: 一般負荷はブレーカー定格以上。電動機は 定格電流 × 1.25(50A以下)/ × 1.1(50A超)(内線規程3605-2、瞬時突入は電線発熱に寄与しないため)
・電圧降下:単相 e = 35.6LI / (1000S)、三相 e = 30.8LI / (1000S) ※ L=配線長(m)・I=電流(A)・S=電線断面積(mm²)、銅導体・20℃基準
・高調波・突入電流・同時使用率・温度補正 等は未考慮

実際の配線設計では、施工条件・負荷特性・周囲環境により値が変わります。 本ツールの結果による事故・損害について当方は責任を負いません。