CAREER GUIDE

「現場やったら人と話さんでええやろ」と思って電工になった結果
― ブルーカラー20年のリアル ―

2026年5月公開 1級電気工事施工管理技士 監修 読了 約6分

最近、知り合いとか親戚の若い子から「ブルーカラーってどうなん?」って聞かれることが、ほんま増えました。「手に職」が見直されてる流れもあって、これから現場仕事で生きていこうか迷ってる人、けっこう多いみたいです。

自分は電気工事の世界に入って20年。第一種電気工事士・1級電気工事施工管理技士を取って、2026年5月に独立してDDK合同会社を立ち上げました。現場たたき上げのブルーカラーど真ん中の人間です。

この記事では、これからブルーカラーになろうか迷ってる人向けに、20年やってきた立場から見える業界のリアルを中立的にまとめます。「最高やで!」とも「やめとけ」とも言いません。良い面・しんどい面、両方フェアに書きます。

正直に言うと、自分は若い頃「人と話すのが苦手」で、「現場仕事やったら黙々と作業できるやろ」と思って電気工事の道を選びました。

やけど、年数経って施工管理を任されるようになると状況は一変。職人さんへの指示、元請さんとの調整、施主さん・設計事務所・役所・近隣…気づいたら一日中誰かと話してる立場になってました。

「現場やったら人と話さんでええやろ」って思ってたあの頃の自分に教えてやりたい。「いや、お前が一番話す職に就くで」って。

この記事でわかること
  • そもそもブルーカラーって何?(建設・電気・設備・運送・製造などの分類)
  • ブルーカラーの良い面(手に職・需要・AI耐性・独立しやすさ)
  • 思ってたんと違うこと(意外と人と話す/体力・天候)
  • 業界平均で見る年収レンジ・資格のステップ
  • キャリアパスの選択肢と、向く人・向かない人

CHAPTER 1最近「ブルーカラーってどうなん?」って聞かれることが増えた

ここ数年、若い人や転職を考えてる人から「ブルーカラーってどうなん?」って聞かれることが増えました。理由はいくつかあります。

業界の人間として興味持ってくれる人が増えるのは素直に嬉しい。やけど同時に、イメージだけで入って3年以内に辞めるパターンも多いので、この記事では入る前に知っとくべきリアルをフェアに書きます。

CHAPTER 2そもそも「ブルーカラー」って何?

「ブルーカラー」は、もともとアメリカで作業着(青い襟)を着て働く労働者を指す言葉。対義語が「ホワイトカラー(白い襟=オフィスワーク)」です。

分野主な職種
建設大工・とび・型枠・鉄筋・左官など
電気・設備電気工事士・配管工・空調設備・通信工事など
土木道路・橋梁・トンネル・造成・舗装など
運送・物流トラックドライバー・倉庫作業・配送など
製造工場ライン・組立・加工・溶接など
整備・修理自動車整備士・機械修理・板金など
農林漁業農家・林業・漁師など

自分の専門は電気工事。分野が違えば仕事内容も収入も全然違うので「ブルーカラーは○○」と一括りにはできません。やけど共通する傾向はあるので、以下はその共通項として読んでください。

CHAPTER 3ブルーカラーの良い面(4つ)

20年やってきた立場から見て、ほんまにそうやなと思える4つです。

① 手に職がつく(一生もん)

技術と資格は、一度身につけたら自分から離れていかない。会社が潰れても、業界が再編されても、手元に残ります。「現場20年やってました」って言ったら、業界内ではどこでも通じる共通言語。これがブルーカラーの強みです。

② 業界全体の需要が落ちにくい

建物・道路・電気設備・物流が社会から消えることは現実的にあり得ません。特に建設業は2024年問題(時間外労働の上限規制)以降、人手不足がさらに深刻化してると言われてます。

③ AI・自動化に代替されにくい

「現場で体を使って・判断しながらやる仕事」は、AIに最も置き換わりにくいタイプと言われてます。狭い場所での作業、図面と現場のズレを目で見て判断、他職種との段取り調整、不測の事態への対応。こういう「身体性+判断+コミュニケーション」が絡む仕事は、生成AIが進化してもすぐには代替されにくい。

④ 独立しやすい構造がある

多くのブルーカラー職種には「許可制度」や「資格制度」があって、それを満たせば独立できる道があります。ブルーカラーは「資格+技術+現場での信頼」という目に見えるもので独立の道筋が描けるので、フワッとした要素に左右されにくいんです。

CHAPTER 4思ってたんと違うこと(2つ)

入る前に知っておいてほしいギャップポイントを2つ。

① 現場でも意外と人と話す

記事タイトルにもしてる通り、自分は「現場やったら黙々できる」と思って入ったのに、施工管理を任される頃には一日の半分以上は誰かと話してる立場になってました。

見習い〜中堅で技術を磨いてる時期は、確かに作業集中の時間が多いです。やけどキャリアを積んで「現場代理人・職長・施工管理」になると、状況が一変。これは電気工事だけやなくて、多くのブルーカラー職種に共通します。

覚えておいてほしいこと:「人と話さんでええから現場」っていう動機だけで入ると、後でギャップを食らいます。逆に言うと、多少でも話せる人は現場で重宝されるってこと。技術+コミュニケーション、この両輪で考えておいてください。

② 体力・天候・移動のしんどさ

「現場仕事=体力勝負」のイメージは、半分本当・半分昔の話。重い材料・不自然な姿勢・夏の汗、これは事実。ただ最近は電動工具・空調服の普及で、昔よりは身体への負担は減ってます。

外仕事だと真夏・真冬・雨天は避けられず、近年の夏の暑さは業界全体の課題。あと意外と負担になるのが朝の早さ(6時起きが普通)現場移動。現場が変わるたびに通勤ルートも変わります。

ただ、絶対にしんどくないとは言いませんが、50代・60代でも現場でバリバリの職人さんはたくさんいます。自分のペースで身体を使い続ける習慣が作れるかどうか、っていう話です。

CHAPTER 5資格のステップ:電工2種 → 1種 → 施工管理1級

ブルーカラーで生きていくなら、資格は絶対に取った方がええ。給料・任される仕事・転職のしやすさ、全部変わります。

資格受験要件取れること
第二種電気工事士誰でも受験可住宅・小規模店舗の電気工事
第一種電気工事士試験は誰でも、免状交付には実務3〜5年大規模な工場・ビルの電気工事
2級電気工事施工管理技士第一次は満17歳以上、第二次は実務経験必要中小規模現場の「主任技術者」
1級電気工事施工管理技士第一次は満19歳以上、第二次は実務経験必要大規模現場の「監理技術者」(業界の上位資格)

この順に取っていくのが王道。1級まで取ると業界での評価が大きく変わると言われてます。自分も独立に踏み切れたのは、この1級を取ったことが大きかったです。

建築・土木・設備・運送・整備でも構造は同じで、「初級資格 → 上位資格 → 管理系資格」のステップで上に上がるほど給料も任される仕事も増える、というのが業界共通の仕組みです。

※1級電気工事施工管理技士の試験の中身や勉強法は、3度目の正直で受かった話の記事で詳しく書いてます。

CHAPTER 6年収の目安(業界平均レベル)

「ぶっちゃけどんくらい稼げるん?」これも聞かれる質問トップ3。個人の年収は控えますが、ハローワークの求人や厚生労働省の賃金統計などで一般的に言われてるレンジはお伝えします。地域・会社・経験で大きくブレるので、目安として読んでください。

立場業界平均レンジ
見習い・若手職人年収300万円前後
一人前の職人年収400〜500万円帯
1級施工管理技士・現場代理人年収500〜700万円帯
独立した自営業者ケースバイケース(変動大)

ブルーカラーは「資格と経験で天井が上がっていく職業」。最初は安く感じても、第一種・施工管理1級まで取ると業界の上位レンジに入っていけます。独立すれば天井はなくなる代わりに、収入は変動が大きくなります。

独立の現実:会社員時代の「毎月決まった給料」がなくなります。仕事がある月はええんですが、ない月もある。安定志向の人は無理に独立せず、大きい会社で資格を活かす道もちゃんと考えた方がええです。

CHAPTER 7キャリアパスと、広がる選択肢

ブルーカラーのキャリアパスは、大きく分けて4つの方向があります。

① 職人を極める道

  • 現場で手を動かし続ける
  • 技術を深めて評価される
  • 作業に集中したい人向け
  • 定年まで腕一本で食える

② 監督・管理に進む道

  • 施工管理技士の資格を取る
  • 現場代理人・監理技術者へ
  • 調整・段取り・人の管理
  • 給料アップだがコミュ力必須

③ 独立する道

  • 建設業許可を取って会社を作る
  • 収入の天井はなくなる
  • 営業・経理・経営判断も自分で
  • 1級施工管理技士があると有利

④ 関連分野へ広げる道

  • Web・コンテンツ・教育・コンサル
  • 機材販売・建材商社など
  • 現場経験を「強み」に変える
  • 選択肢を複数持つ生き方

自分は①職人 → ②監督 → ③独立と進んできました。独立後はDDK合同会社で電気工事関連のWebサイト・ツール開発もやってます。生成AIの登場で、現場の人間でもWebコンテンツや業界向けツールが作れる時代になりました。「現場経験 × Web」の組み合わせは、現場のリアルを知ってる人にしか作れない武器になります。

「ブルーカラー=現場だけ」って固定観念は、今の時代もう古いです。打てる手は、思ってるより多い。

CHAPTER 8向く人・向かない人(中立的に)

20年見てきた感覚で、中立的にまとめます。あくまで参考程度に。

向いてる人

  • 手で物を作るのが好き
  • 体を動かしてる方が落ち着く
  • 結果が目に見える仕事がしたい
  • 資格や技術で自分を磨きたい
  • 長く続けられる仕事を探してる
  • コミュ力も鍛えていく覚悟がある

合わない可能性が高い人

  • 絶対に人と話したくない
  • 毎日決まった場所・時間で働きたい
  • 身体を動かすのが本気で苦痛
  • すぐ昇給・昇進したい
  • 季節や天気の影響を受けたくない
  • 長時間労働を完全に避けたい

「向かない」項目に当てはまっても、やめとけって意味じゃないです。あくまで「ギャップを感じやすい」って話。最初に知ったうえで覚悟して入るなら、全然やっていけます。

最後にひとつ:20年やってきた自分の本音

ここまで中立に書いてきましたが、最後に自分の本音も書いときます。中立のままやと、読み手も「で、お前はどう思ってんねん?」ってなるやろなと思ったので。

正直に言うと、自分は現場の仕事を「大好き」って胸張れる日ばかりではないです。20年やってきて、「楽しい」と感じる日も「しんどい」と感じる日も両方ある。これは本音です。

しんどさの根っこは、たぶん自分が今も「人と話すのが苦手」っていうとこ。冒頭で書いた通り、もともとそれが嫌で現場を選んだのに、施工管理になって毎日話す立場になり、独立したら今度は元請営業・施主対応・行政手続きで結局話す相手が変わっただけ。根本の苦手は20年経っても完全には解消されてないんです。

やけど、資格を取って経験を積んだ以上、それを一番ロスなく収入に変えられるのがこの業界やと納得して続けてます。「食うため」っていう動機でも、ブルーカラーは20年続けられる。これも事実です。

ただ、現場の何かに惹かれて入る人の方が、間違いなく幸せやと思います。自分みたいに「資格と経験を活かせる場所として続けてる」っていうスタンスでも続けられるけど、好きで入った人の方が伸びしろは大きいはず。

「現場の仕事は誇れる仕事か」って聞かれたら、自分の答えは「社会的には誇っていい仕事。自分にとっての誇り方は、人それぞれ」です。建物・道路・電気・物流、世の中を動かしてる根っこはブルーカラーの人らが支えてる。これは事実。やけど、それをどう自分の中で受け止めるかは、その人次第やと思います。

「人手不足やからおいで!」みたいな軽いノリで誘う気はないんで、これからブルーカラーを目指す人には、「好きで入る」「合うと思ったから入る」っていう前向きな動機を持って入ってきてほしいなと思います。動機があるかないかで、20年後の景色はかなり変わってくると思うので。

まとめ:迷ってるなら、現場の人にリアルを聞いてみて

もしブルーカラーに興味を持ったら、まず現場で働いてる知り合い・先輩・親戚にリアルを聞いてみるのが一番ええと思います。求人サイトには書いてない、本音の話が聞けます。

「人と話すの嫌で電工選んだら、一番話す職に就いてた」みたいな、自分のドジな話も含めて。リアルを知ったうえでそれでもやってみたいって思えるなら、ブルーカラーの世界はあなたを歓迎します。これからブルーカラーを目指す方、応援してます。

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