2026年5月1日、自分が代表をやってるDDK合同会社(電気工事業・従業員は自分1人)で、ついに社会保険に新規加入しました。
1人会社の社保加入って、ネット記事だと「加入義務がある」「役員報酬から保険料が引かれる」みたいなフワッとした話ばっかりで、実際の数字とか手続きの流れがあんまり出てこんのですよね。
なので今回は、自分が実際に箕面年金事務所まで行って手続きしてきたリアルを、役員報酬月5万円・標準報酬月額58,000円・月の保険料約22,100円っていうガチの数字込みで書いていきます。これから1人会社で独立する人の参考になれば嬉しいです。
- 1人合同会社でも社保加入が必要になる「具体的な条件」
- 建設業許可申請(JCIP)と社保加入の順序関係
- 役員報酬月5万・標準報酬月額58,000円スタートのリアル数字
- 新規適用届の提出書類セットと年金事務所での流れ
- 保険証が届くまでの「マイナ保険証ギャップ期間」の対処法
CHAPTER 1そもそも、なぜ1人会社で社保加入したのか
合同会社って、法人なんで本来は社長1人だけでも社会保険の強制適用事業所になります。これは法律で決まってるんですよね(健康保険法第3条・厚生年金保険法第6条)。
ただし、役員報酬がゼロ円なら保険料の算定基礎がない=加入できないっていう実務上の扱いがあります。自分は2023年8月にDDKを設立してから、第1期〜第3期は副業運営で役員報酬ゼロ円でやってきたので、社保加入義務はなかった、という整理です(年金事務所にも「報酬ゼロなら加入義務なし」と確認済み)。
で、今回なぜ加入に踏み切ったか。きっかけは建設業許可申請です。
建設業許可と社保加入の順序問題
電気工事業で500万円以上の工事を請けるには、建設業許可(電気工事業)が必要です。2025年以降、申請はJCIP(電子申請システム)で行うようになってて、その中で「常勤役員等の常勤性証明」っていう項目があるんですよ。
この常勤性を証明するための一番王道のエビデンスが社会保険の被保険者記録。つまり、「ちゃんと社保に入って、この会社で常勤してます」って状態を作らんと、許可が取れんわけです。
つまり自分の場合、「建設業許可を取りたい → そのために社保加入が必要 → 役員報酬を出して標準報酬月額を発生させる」という流れで、今回の加入になったわけです。
CHAPTER 2加入までのスケジュール(実時系列)
実際のスケジュールはこんな感じでした。
- 〜2026年4月30日:前職に在籍。健康保険・厚生年金は前職で加入中
- 2026年5月1日:前職退職/DDK合同会社で社保の資格取得日に設定
- 5月上旬:箕面年金事務所に新規適用届・資格取得届・被扶養者異動届を提出
- 5月中旬:協会けんぽから健康保険証が郵送(の予定)
ポイントは、前職の退職日(4/30)の翌日(5/1)を資格取得日にすること。こうすると保険の空白日が出ません。これは前職の社保資格喪失日(=退職日の翌日)と整合させるための実務です。
ちなみに、年金事務所いわく「5〜7日程度なら遡って加入することも可能」みたいです。たとえば書類提出が5/7になっても、資格取得日を5/1に遡って設定してもらえる、ということ。多少のスケジュールズレはリカバリー可能なので、退職と新会社の社保加入が完全に同日でなくても焦らんで大丈夫です。とはいえ、空白日を作らんで済むなら退職日翌日で揃えるのが一番ラクなのは変わりません。
ちなみに自分の場合、副業時代も含めるとDDKは2023年8月設立から第3期まで完了済み(2026年5月時点は第4期の途中)です。「設立してすぐ社保入らんでええの?」とよく聞かれますが、役員報酬ゼロなら加入義務なしっていうのが実務の答え。3期分の決算書見せても、年金事務所に「適法ですね」って言ってもらえました。
ただし、これは「副業でほぼ稼働してない・本業の会社で社保加入済み」っていう前提あってこそ。専業1人会社なら、設立時点で加入しとくのが普通です。
CHAPTER 3必要書類セット(実際に持参したやつ)
新規適用届を出す時に、年金事務所に持っていった書類はこれです。
- 新規適用届(健康保険・厚生年金保険):日本年金機構のサイトからDL
- 被保険者資格取得届:代表者本人分
- 健康保険 被扶養者(異動)届:子供2人分
- 法人登記簿謄本(履歴事項全部証明書):取得から90日以内のもの
- 法人番号の確認資料:国税庁の法人番号公表サイトで自社を検索 → 該当ページをプリントアウトすればOK(通知書原本が見つからんでも大丈夫)
- 賃貸借契約書のコピー(事務所所在地証明用、状況により)
このセットを揃えて持っていけば、年金事務所の窓口で一気に処理してもらえます。事前にGビズIDプライムでe-Gov電子申請もできますが、初回は窓口で対面のほうが質問もできて安心でした。
CHAPTER 4役員報酬は月5万でスタート(最低等級の話)
ここが一番リアルな数字の話。役員報酬は月額5万円でスタートしました。
「え、社長やのに月5万?」って思うかもしれませんが、これにはちゃんと理由があります。
標準報酬月額58,000円=最低等級
社会保険の保険料は、月の役員報酬から算出される「標準報酬月額」を元に決まります。標準報酬月額の最低ラインは58,000円(健康保険1等級・厚生年金1等級)。月の役員報酬が63,000円未満なら、この最低等級に張り付きます。
つまり、月5万円でも月6万円でも、標準報酬月額は58,000円で同じ=保険料も同じ。だったら、初年度は無理せず月5万でスタートして、業績見ながら来期から調整しよ、という判断です。
役員報酬の決定ルール
役員報酬は「定期同額給与」といって、原則事業年度開始から3ヶ月以内に決定し、その後1年間は変えられないルールです(変えると損金算入できなくなる=法人税が増える)。だから、安易に上げ下げできない数字でもあります。
逆に言うと、初年度は控えめにスタートして、決算後に見直すのが定石。社保加入のためにまずは最低等級で入って、軌道に乗ったら来期から適正化、というのが1人会社のセオリーです。
⚠️ 期の途中から役員報酬を出すケース(自分の実例)
ここからは自分の具体ケースの話。実は今回、定期同額給与のルールから外れた形での役員報酬スタートになっとります。
DDKの事業年度は10月〜9月(決算月9月)。本来なら、役員報酬は期首から3ヶ月以内(つまり10月〜12月)に決定する必要があります。でも自分は、期の真ん中の5月から月5万円の支給を開始しました。理由はもちろん「建設業許可の常勤性証明のために、社保加入を急ぐ必要があった」から。
このイレギュラーなスタートには、税務上のデメリットあり:
期首3ヶ月以内に決めてない役員報酬は損金不算入
期首3ヶ月以内に決めた金額じゃない=期途中から開始した分は損金算入できません。つまり、その期間に支給した役員報酬は法人税の計算上「経費」として引けず、その分の法人税は経費控除なしで計算されます。
計算式:「月の役員報酬 × 期途中から決算月までの残り月数」が損金不算入額。たとえば月5万円を5ヶ月残して開始したら、25万円が損金から外れます。
「損金に入れられない」と「支給できない」は別の話で、支給自体はOK・社保加入もOK。建設業許可申請の事情で急ぐ場合は、この税務デメリットを織り込んだ上で判断する必要があります。
自分の場合は、来期(10月以降)から、正規に期首3ヶ月以内で定期同額給与を決め直して、損金算入できる形に整える予定です。今期は「建設業許可を取るための社保加入=法人税の損金不算入による若干のコスト増」を呑む、という判断。
1人会社で独立する方は、ここはぜひ覚えておいてください。「設立したらすぐ社保加入&役員報酬スタート」じゃなくて、事業年度の組み方と役員報酬の決定タイミングはセットで考えるのが正解。可能なら税理士に最初に相談しとくのが一番安全です。
CHAPTER 5月の保険料リアル数字(会社+本人で月約22,100円)
では実際、月にいくら払うのか。年金事務所でもらった令和8年3月分(4月納付分)からの保険料額表(大阪支部・協会けんぽ)の最新数字で書いていきます。標準報酬月額58,000円(健康保険1等級)の場合はこうなります。
| 保険の種類 | 本人負担 | 会社負担 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 健康保険(料率 10.13%) | 2,937.7円 | 2,937.7円 | 5,875.4円 |
| 厚生年金(料率 18.30%) ※標準報酬月額88,000円扱い |
8,052円 | 8,052円 | 16,104円 |
| 子ども・子育て支援金(料率 0.23%) | 66.7円 | 66.7円 | 133.4円 |
| 月の合計 | 約11,056円 | 約11,056円 | 約22,113円 |
ポイントは、1人会社の場合、本人負担も会社負担も結局は自分の会社の財布から出るってこと。実質、月約22,100円が会社の固定コストとして乗ってきます。年間にすると約26.5万円。
厚生年金の標準報酬月額には「下限88,000円」のルールあり
ここ、自分も最初知らんかったポイントです。厚生年金保険料の標準報酬月額には、健康保険とは別に「下限88,000円」というルールがあるんですよ。
つまり、役員報酬を月5万円にして健康保険の標準報酬月額が58,000円(1等級)になっても、厚生年金は最低でも標準報酬月額88,000円扱いになる。健康保険の1〜4等級(標準報酬月額58,000円〜88,000円)は、厚生年金保険料が全部同じ 88,000円 × 18.30% = 16,104円(折半8,052円) です。
言い換えると、月の役員報酬を3〜4万円下げても、厚生年金の保険料は1円も下がらない。最低等級スタートを選ぶなら、健康保険1等級ピッタリの「月5万〜6万円」が一番コスパええです。
⭐ 令和8年4月開始の「子ども・子育て支援金」って何?
表に入ってる「子ども・子育て支援金」、これ実は令和8年(2026年)4月分から徴収が始まったばっかりの新制度です。少子化対策のための新財源として、令和6年(2024年)の「子ども・子育て支援法」改正で創設されました。
ポイントは:
- 医療保険料に上乗せして徴収(健康保険料の枠組みなので労使折半)
- 料率は0.23%(令和8年度・段階的に引き上げ予定)
- 標準報酬月額58,000円なら全額133.4円・本人66.7円・会社66.7円
- 令和8年4月分(5月納付分)から開始=まさに自分の加入タイミングと重なる
従来からの「子ども・子育て拠出金」(事業主全額負担)
紛らわしいけど、これとは別に従来からある「子ども・子育て拠出金」っていうのも存在します。こっちは:
- 厚生年金保険料と一緒に納付(児童手当法に基づく)
- 料率は0.36%
- 事業主が全額負担・本人負担ゼロ
- 標準報酬月額58,000円なら月約208円(会社負担のみ)
つまり、2026年4月以降は、新「支援金」(労使折半)と旧「拠出金」(事業主全額)の2本立てになっとります。名前が似てて紛らわしいので注意。
CHAPTER 6扶養家族の扱い(子供2人を扶養に・奥さんは外)
家族構成は奥さん(正社員勤務)と子供2人です。今回の扶養家族の整理はこうしました。
- 子供2人:DDKの健康保険に扶養として加入
- 奥さん:DDKの扶養に入れず、自分の会社の健保を継続
なぜ奥さんは扶養に入れないか
健康保険の被扶養者になるには、年収130万円未満(60歳未満の場合)っていう収入要件があります。奥さんは正社員で年収が130万を超えてるので、自動的に扶養対象外。本人の会社の社保にそのまま入ってもらってます。
逆に子供2人は収入ゼロなので、当然扶養に入れます。これまでは自分の前職の健保で扶養してたのを、DDKの健保に切り替える形で「被扶養者異動届」を提出しました。
CHAPTER 7⚠️ 保険証届くまでの「医療空白」をどう乗り切るか
ここから先は、実際にハマって今もモヤッとしてる話。新しい保険証が届くまでのギャップ期間です。
5/1〜保険証到着まで、医療機関で「資格情報なし」と表示される可能性
家族全員、普段はマイナンバーカード=マイナ保険証を使ってます。便利なんですが、前職の健保資格が4/30で喪失&DDKの新しい保険証データがオンライン資格確認システムに反映されるまで数日〜2週間かかります。
この期間中に病院でマイナ保険証をかざすと、「資格情報なし」と表示される可能性があるんです。これがいわゆる「ギャップ期間問題」。
※ 年金事務所の人いわく「加入日は5月1日で確定してるから、最終的には保険適用される」とのこと。資格そのものが喪失してるわけじゃなくて、あくまでオンラインのデータ反映が追いついてないだけ。ただし反映前の窓口対応をスムーズにするには、次の対処法のどっちかが必要です。
対処法は2つ(ただし①は時間がかかる)
- ① 年金事務所で「健康保険被保険者資格証明書」を発行してもらう:ただし新規適用届の審査完了後(だいたい1〜2週間後)にようやく発行可能。即日発行は不可。これを保険証代わりに使えば3割負担でOKやけど、加入直後すぐは入手できないので注意
- ② 医療機関でいったん全額自己負担→後日精算:保険証が届いた後に「療養費支給申請書」を協会けんぽに提出すれば、7割分が後から戻ってきます(手間はかかる)
結局のところ、加入直後の数日〜2週間で医療機関にかかる場合は②の全額自己負担+後日精算ルートしかないのが現実です。①の資格証明書は審査完了タイミング次第なので、いざ病院!という時の即時対策にはなりません。
実例:チェック入れててもハマった時系列
と、理屈ではわかってても実際にハマるのが現場のリアル。自分の5/1〜5/17の流れ、そのまま残しときます。
5月1日:箕面年金事務所 初回訪問。新規適用届と必要書類を全部持っていって、無事受理。新規適用届には「資格証明書の発行が必要ならチェックする欄」がある。最初その欄が空白のまま出しかけたんやけど、窓口の人が「ここ、保険証届くまでの間に資格証明書必要やったらチェックしてくださいね」と教えてくれて、その場でチェックを入れて提出した。ここまでは順調。
5月7日:念のため電話確認。家族が「もし病院かかったらどうなるん?」と聞いてきて、まだ資格証明書が手元に届いてないことに気づいて、年金事務所に電話。返ってきた答えは「資格取得届はまだ審査中なので、現時点では資格証明書は発行できません」。チェック欄にチェックは入れてあるけど、そもそも審査が終わらないと発行できないとのこと。発行可能になるのは1〜2週間後らしい。
5月13〜17日頃:再電話予定。発行可能になったら再電話して、可能なら郵送依頼するか、再訪して受け取る予定です。チェック入れててもこのラグはどうしようもない、というオチ。
教訓:チェック欄にチェックを入れても、資格証明書の発行は新規適用届の審査完了後(だいたい1〜2週間後)になる。即日発行は仕組み上できません。つまり、加入直後の数日〜2週間で医療機関にかかる可能性がある人は、資格証明書ではカバーできないということ。その期間は②の全額自己負担+後日精算を覚悟しておくか、または通院の予定をその期間からズラすかのどっちかです。「社保入った=即日から医療OK」とは思わずに、1〜2週間のタイムラグを織り込んで動くのがコツ。
CHAPTER 8これから1人会社で独立する人へ
最後に、これから1人合同会社で独立しようとしてる人に向けて、自分が学んだポイントをまとめます。
1人会社の社保加入チェックリスト
- 役員報酬ゼロなら社保加入義務なし(副業時代は適法に未加入でいける)
- 建設業許可を取るなら、社保加入が先・許可申請が後の順序になる
- 役員報酬は月5〜6万でスタートして最低等級が合理的(保険料も最低額)
- 標準報酬月額58,000円なら会社+本人で月約22,100円・年間約26.5万円の固定コスト(健保+厚年+子ども子育て支援金)
- 厚生年金は最低標準報酬月額88,000円のルールあり。健保1〜4等級は厚年保険料が同じ
- 扶養家族は年収130万円未満が要件。子供は迷わず扶養に
- 新規適用届を出す時は、その場で「健康保険被保険者資格証明書」も発行依頼を忘れずに
- マイナ保険証ユーザーはギャップ期間(数日〜2週間)に注意
1人会社の社保加入は、調べれば調べるほど「ケースバイケース」な部分が多くて、ネットだけで完結させるのは正直キツいです。管轄の年金事務所に1回足を運んで、窓口で直接相談するのが結局一番早い。事前予約しといたら待ち時間もほぼゼロやし、窓口の人もめっちゃ親切に教えてくれます。
自分はシロウト。それでも年金事務所に通って、自分の手でやってみたら何とかなりました。「社労士に丸投げ」も選択肢ですが、1回くらいは自分でやってみると、自分の会社の数字が腹落ちします。
まとめ:1人会社の社保は「最低等級+扶養活用」がリアル解
今回のDDKの社保加入、ガチ数字でまとめると:
- 役員報酬:月5万円(最低等級スタート)
- 標準報酬月額:58,000円
- 月の保険料:会社+本人で約22,100円(年間約26.5万円・健保+厚年+支援金)
- 扶養家族:子供2人のみ(奥さんは年収130万超で扶養外)
- 加入の目的:建設業許可申請のための常勤性証明
これから独立する人にとって、「1人会社の社保ってリアルにいくら?」っていう数字の感覚は、めっちゃ大事です。今回の記事がその参考になれば嬉しいです。
独立後の電気工事の見積もり・施工管理については、別記事の電気工事の見積もりで失敗しない7つのポイントもぜひ参考にしてください。