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電気工事の見積もりで失敗しないための
7つのポイント【現場20年の実体験】

2026年4月公開 1級電気工事施工管理技士 監修 読了 約7分

電気工事の見積もり、けっこう奥が深いんです。「これくらいやろ」で出した数字が、後から大きな赤字を生むこともあれば、相場感を読み違えて他社に負けることも。

私は20年、電気工事会社で施工と管理の両方をやってきました。その中で「見積もりでやらかしたケース」も「見積もりで助かったケース」も、両方たくさん見てきています。

今回は、その経験から「見積もりで失敗しないために、これだけは押さえとけよ」という7つのポイントをまとめました。元請さんも、同業の協力会社さんも、独立直後の方も、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
  • 見積もり前のヒアリングで、絶対に聞いておくべき内容
  • 追加費用が発生しがちな「あるあるパターン」と対策
  • 諸経費の妥当な計上水準(材料費比?労務費比?)
  • 図面精度と見積もり精度の関係
  • 元請に提出する前に必ずチェックすべきポイント

POINT 1現場ヒアリングを「絶対に」省略しない

これは一番大事なやつ。図面だけ見て見積もりを作ると、ほぼ確実にどこかでズレが出ます。

図面に書いてないけど現場で必要なものって、めちゃくちゃ多いんですよ。たとえば既設の状態、搬入経路、駐車スペース、隣接建物の影響、騒音規制、夜間作業の可否。これらは図面じゃ絶対わかりません。

改修工事を見積もった時の話。図面では「天井裏から配線を通す」となってたんやけど、実際に天井裏を覗いたら大きな梁が何本も走ってて、配線が梁を避けて大幅に遠回りせなアカン。結局、図面にはなかった余分な露出配管の工事が発生して、当初見積もりの1.5倍かかった。

図面だけで判断したらアカンって、骨身に染みた現場でした。

必ず現地調査に行くか、最低でも詳しい写真と動画を送ってもらってから見積もる。これが鉄則です。

POINT 2「材料費」だけでなく「歩掛り」を必ず計算する

見積もりが甘くなる一番の原因は、労務費(電工費)の見積もりが雑だから。材料費はカタログ見れば誰でも計算できるけど、「この工事に何人工かかるか」を読めない人が多い。

歩掛り(人工/単位)を品目ごとに把握してれば、自動的に労務費が出てきます。例えば:

これらは国土交通省「公共建築工事標準単価積算基準」に標準歩掛として公表されてます。民間工事もこれを基準にすると、見積もりがブレません。

注意:歩掛りは「天井内ころがし配線」が標準です。露出配管は1.2倍、ケーブルラック上は0.8倍、立ち上げ配線は1.5倍など、施工条件で補正が必要です。

POINT 3諸経費・現場経費を正しく計上する

意外とよく抜けるのが、ここ。「現場での消耗品」「運搬費」「諸経費」をきっちり計上しておかないと、利益がゴッソリ削られます。

私の目安としては:

これは現場規模・工事内容で多少前後しますが、最低でもこのくらいは見ておかないと赤字になります。特に諸経費10%は下限ライン。会社の継続運営をちゃんと考えるなら、12〜15%は欲しいところです。

※ 数値はあくまで目安です。規模・地域・工事内容で大きく変わります。公共工事の積算基準は国土交通省「公共建築工事 共通費積算基準」を参照してください。また、項目によっては「諸経費」に運搬費・現場雑費が含まれる積算ルールもあります。二重計上にならないよう、自社の積算ルールと照合してください。

POINT 4追加費用が出るパターンを事前に潰しておく

「見積もり出した後に追加費用が発生する」のが、一番揉めます。これを未然に防ぐコツは、「見積もり範囲外の工事」を最初に明文化しておくこと。

典型的な「あるある追加」はこちら:

追加が発生しがちなパターン

見積書の「適用範囲」「除外項目」に、これらをはっきり書いておきましょう。「言った言わない」のトラブルを防げます。

POINT 5図面の精度と見積もり精度は連動する

「見積もり依頼が来たけど、図面がスカスカ」っていうケース、よくあります。こういう時、テキトーに見積もると痛い目を見るのはこっち。

図面が不十分なら、こちらから質問しましょう。具体的には:

ある精密な検品・選別作業を行う倉庫の電気工事で、図面に「LED投光器10台」としか書いてないやつが来たことがありました。図面通りに見積もって施工した後、引渡し前の照度測定で検品エリアが必要照度(JIS Z 9110 で 500lx 推奨)に届いてないことが判明。投光器の配光と天井高から逆算したら、最初から10台じゃ足らんかったんです。

結局、追加器具+配線で、当初見積もりの1.2倍。台数指定の図面でも、用途別の必要照度を確認して、自分で照度計算してから見積もるのが鉄則やと、その時学びました。

POINT 6「想定工期」を必ず見積もりに反映する

意外と見落としがちなのが、工期。短工期の現場は、それだけで人工が多くかかります。理由は:

「2週間でやってくれ」って言われて、本来1ヶ月かかる工事を見積もった時。普通の見積もり金額のままだと、確実に赤字です。

こういう時は、工期短縮割増(標準工期の場合の1.2〜1.4倍)を最初から計上しておく。見積もり段階で交渉したほうが、後から請求するより絶対揉めません。

POINT 7提出前のチェックリストを必ず通す

最後に、見積もりを元請に出す前のチェックリスト。これを必ず通してから提出してます。

提出前 最終チェック

これだけで、見積もりの完成度が一気に上がります。「ちゃんとした会社が出した見積もり」って印象を与えられるかどうかは、この最終チェックで決まる、と言っても過言じゃないです。

まとめ:見積もりは「会社の顔」

見積もりって、ただの数字の集まりじゃなくて、会社の信頼度・実力が一発で伝わる「顔」なんですよ。

雑な見積もり出したら「この会社、ちゃんと現場わかってないな」って思われるし、しっかりした見積もり出したら「ここは任せられそうやな」って思ってもらえる。

今回紹介した7つのポイント、ぜひ参考にしてもらえたら嬉しいです。

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